思考を超えた節税で企業の可処分所得の最大化を目指す:安藤税務会計事務所

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それでは『ふるさと納税』は使えない制度なのか?

前回の記事では『ふるさと納税』に内在する問題点をあえて辛辣に表現しました。
それでは『ふるさと納税』は問題点だらけで本当に使えないものなのでしょうか。
 
 
 
わたしは『ふるさと納税』を全否定しているわけではありません。
それどころか地方自治体に直接資金が渡るという点では大いに評価しています。
評価はしていますが、義援金として十分活用できるかどうかに疑問があるのです。
 
 
 
『ふるさと納税』によってある地方自治体に義援金が集まったとします。
それをどのように使うかを決めるのは誰でしょう?
市長の独断で決められるのでしょうか?
まずは事務方でいくら集まったかを集計し、それをどのように振り分けるかの予算組みをしなければならないでしょう。
次にそれを議会に諮り、議決をしなければなりません。
その後、振り分けごとに業者を選択し、発注し、物資が入荷すればとりまとめてどこに配分するかを決め・・・・。
 
これほどではないかもしれませんが、今すぐの支援物資としては後手後手になるような気がします。
 
 
 
 
そこでわたしからの提案です。
救援物資などにスピードを要する今の時期は、日本赤十字社などに寄付をするのが良いと思います。
現状では日本赤十字社のほうが義援金をどのように使うかの決断が早いと思われます。
特に今回は日本赤十字社には義援金口座が設けられ、この口座に寄付をすると『ふるさと納税』と同じ寄付金控除が受けられることになりました。
これまで多くの災害支援に携わってきた日本赤十字社ですから、的確に対応してもらえると思います。
そして当面の救援活動が一段落し、これから復興をという時期になったら『ふるさと納税』で直接援助するようにすればいかがでしょうか。
 
 
 
前回の記事で多くの方の義心に水を差したことに対し、伏してお詫び申し上げます。 

コメント (1)

ふるさと納税は本当に義援金なのか?

最近『ふるさと納税』が多くのところで取り上げられているようです。

わたしは個人的にこの『ふるさと納税』には重大な問題が内在していると考えてきました。
今は時期的に、あまり過激にならない程度にと考えて前の記事を書きましたが、ここで一度わたしの考えるふるさと納税の問題点についてまとめてみようと思います。
かなり過激な表現となりますが、あくまでも私見ですのでその点はご理解くださいませ。
 
 
<『ふるさと納税』とは住民税の一部移転である>
ご存じの方も多いでしょうが、『ふるさと納税』では多額の寄付金控除が受けられます。これによって自分の住民税の一部を任意の地方自治体に納税するような形となるので、『ふるさと納税』の名前がついています。
ここに内在する問題点は三つ。
一つは地方自治を妨げる可能性がある点、二つ目は自分の懐は痛まない点、三つ目は中間経費に消える点です。

『地方自治を妨げる可能性がある点』とは、自分が直接行政サービスを受けている地方自治体ではないところに納税することで生じる問題点です。
もちろん『ふるさと納税』には上限額が定められており、これによってこの問題点は解決されているように見えます。
しかし自分が直接行政サービスを受けている地方自治体が、すでに財政的機器状態にあったならばどうでしょう。
これまではあまり『ふるさと納税』自体がクローズアップされてきませんでしたし、利用者もそれほど多くなかったので問題にならなかったのでしょうが、今回のように大規模な災害で多くの人がこの制度を利用したならばどうなるでしょう。
一人一人の限度額は設けられていても、多くの人がこの制度を使うことによって本来入るべき税収が減少してしまうことは必至です。

元々この制度が出来た立法趣旨は義援金目的ではありませんでした。
自分が生まれ育った(まだ幼い頃に行政サービスを受けた)地方自治体(いわゆる『ふるさと』)に住民税の一部を還元させようという目的で創設されました。
これ自体もそうなのですが、本来これは国が考えるべき事であって、一個人が自由に出来る(あるいは自由にして良い)レベルの問題ではないはず。
それでもこの制度が出来たのは、それほど利用する人は多くないと考えたからではないでしょうか。(実際利用する人は少なかったと思います)

出来るだけ効率的に義援金を送ろうと考えるのは良いことだと思います。
そして出来れば自分の懐が痛まなければなお良いと考えるのも理解は出来ます。
しかし『ふるさと納税』を義援金に使うというのは本当に効果があるのでしょうか。
もちろん短期的に見れば災害を受けた地方自治体に直接支援できるのですから、その地域の復興には役立つでしょう。
しかしわたしにはある子供に別の子供の食べ物を渡しているだけに見えるのです。
ある地域の税金を他の地域に移転させるわけですから、日本全体を見た場合には解決策にはなりにくいと考えるからです。
いま『ふるさと納税』と叫んでいる人たちは、なぜ夕張市に『ふるさと納税』をしなかったのでしょう?
 
 
 
 
<『ふるさと納税』は他人のふんどしである>
次に『自分の懐は痛まない点』です。
わたしは寄付金とは自分の稼ぎの一部を寄付するものだと考えています。
これは世界中どこでも同じではないでしょうか。
わたしには『ふるさと納税で義援金を!』と叫んでいる人たちは『他人のふんどしで相撲を取っている』ようにしか見えません。
イチロー選手、ユニクロの柳井社長など多くの方が多額の義援金を寄付しています。
彼らは皆『自分の懐を痛めて』義援金を支出しています。
 
多くの寄付金控除によって実質的な負担額を地方公共団体に転嫁する『ふるさと納税』が本当に義援金と呼べるのでしょうか。
 
 
 
 
<『ふるさと納税』は市長や議員への給与ともなる>
最後に『中間経費に消える点』です。
『ふるさと納税』を推奨される方の多くは、他の支援団体を通すと一部の義援金がそこの経費に消えてしまうことを懸念されています。
『ふるさと納税』であれば直接その地方自治体に義援金が届くので、その中間搾取がないということですが、果たして本当でしょうか。
他の支援団体であれ地方自治体であれ、そこで働く人々がいる限りは何らかの経費として費消されることは同じではないでしょうか。とくに地方自治体であれば、その地方自治体の知事や市長、議員や職員の給与も支払わなければなりません。(彼らの給与は低くはありません)
とこう書くと「『ふるさと納税』は使途を限定できるから」ということを言う方が出てくるのですが、使途はどの程度まで限定できるのでしょうか。
わたしの知る限りにおいては『全額を支援活動に利用し、給与を含む経費には利用しない』という使途限定は出来ないはずです。
この使途の範囲は誰が決めるのでしょう。
逆に例えば日本赤十字社を見た場合、そこで働く人たちの給与は既にまかなわれていると考えられます。
となると、今回の義援金を出来るだけ多く被災者たちへの支援活動に使えるのはどちらの方なのか、一概には言えなくなります。
 
 
 
いま多くの人が『どうすれば効率的に義援金を送れるのだろう』と考えています。
そのなかで『ふるさと納税』が必要以上に一人歩きしているように見えてしまいます。
結論としては、わたしは安易な『ふるさと納税』には賛成できません。
自分が納税すべき税金は、既に自分のお金ではありません。
それは自分が行政サービスを受けている地方自治体に納入されるべきもの。
それを利用して義援金を送ったとしても、それだけでは胸を張れるものではないと考えます。

 
 
それでも効率化を考えて『ふるさと納税』を利用して寄付をしようと思うのであれば、寄付金控除を受ける権利を放棄するか、あるいはそれによって軽減される税額分も寄付してはいかがでしょうか。

コメント (31)

なぜ『ふるさと納税』で義援金が送れるのか?(メリットとデメリット)

(注)この記事はふるさと納税による控除額の詳細な計算方法を示したものではありません。具体的な計算方法に関しましては、他のサイトをご覧くださいませ。
 
 
 
 
このネーミングのせいで認知度が低くなっていると思うのですが、『ふるさと納税』とは『納税』でも無ければ『ふるさと』にするものでもありません。
任意の地方自治体に寄付することで、寄付した額の大半が税額控除される制度のことです。
この税額控除額は次のようにして計算されます。
 
 
 
【所得税控除】
(ふるさと納税額-2,000円)×所得税率
【住民税控除】
①基本控除額:(ふるさと納税額-5,000円)×住民税率(10%)
②特別控除額:(ふるさと納税額-5,000円)×(90%-所得税率)
③①+②
 
 
 
例えば年収600万円のサラリーマンが10万円の『ふるさと納税』をしたら、次のようになります。
【所得税控除】
(100,000円-2,000円)×20%=19,600円
【住民税控除】
①基本控除額:(100,000円-5,000円)×10%=9,500円
②特別控除額:(100,000円-5,000円)×(90%-20%)=66,500円
③①+②=76,000円
【税額控除合計】
19,600円+76,000円=95,600円(正確な控除額ではありません)
 
 
 
この例では10万円の『ふるさと納税』をしたら95,600円の減税となります。
つまり10万円未満の実質負担額で10万円の寄付ができることになります。
 
 
この『ふるさと納税』がなぜ義援金と関係があるのでしょう?
ここでのポイントは『任意の地方自治体に寄付』という部分。
つまりこの『ふるさと納税』を使えば、効率的に義援金を送ることができるというわけです。
他の義援金と違い直接地方自治体に入るため、途中で経費となって費消されることが無くなるというメリットもあるでしょう。
 
 
このように一見すると義援金としては非常にすばらしいメリットを持つ『ふるさと納税』制度ですが、次のような問題も含んでいるようです。(Wikipediaより)
●住民が直接行政サービスを受ける地方自治体に納税する『受益者負担の原則』から外れる。
●各自治体(特に税額控除を受ける側の自治体)での業務が煩雑になる。
●根本的な地方活性化の解決策にはならない。
●都道府県は市町村に比してふるさととしての愛着が持たれにくく、寄付が集まりにくい。
 
 
特に問題となるのは『住民が直接行政サービスを受ける地方自治体に納税する『受益者負担の原則』から外れる。』だと思われます。
 
義援金を送ることは素晴らしいことですし大切なことですが、安易にふるさと納税制度を使って自分がお世話になっている地方自治体に負担を強いるのは・・・ですね。
いくら寄付しても自分の懐が痛むわけではないという点も・・・です。
しかし節度ある『ふるさと納税』は、義援金として素晴らしい効果を生み出すでしょう。
 
 
 
節度あるふるさと納税で日本全体を活性化できればいいですね!

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募金団体を通じた義援金等に係る税務上の確認手続きについて(国税庁)

2011年3月11日、日本における観測史上最大規模の巨大地震が東日本を襲いました。
この災害の影響を受けた方々に心よりお見舞い申し上げます。

直接の影響を受けなかった我々に何ができるか、を考えている皆さまも多いことと思われます。
今すぐに何ができるかを考えるのは難しいのですが、一つの方法に義援金があるでしょう。
この義援金について、3月15日に国税庁からの見解が出ました。


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(以下引用)

○ 個人又は法人が、災害に際して、募金団体に義援金等を寄附する場合でも、その義援金等が最終的に国、地方公共団体に拠出されるものであることを税務署が確認できれば、「国等に対する寄附金」として、税制上の特典を受けることができます。

○ 災害に際して寄附する場合、税務署での確認手続きも緩和されています。
 具体的には、その義援金等が最終的に国、地方公共団体に拠出されるものであることが新聞報道、募金要綱、募金趣意書等で明らかにされており、そのことが税務署において確認されたときには、その義援金等は「国等に対する寄附金」に該当するものとして取り扱われます。
(参考)国等に対する寄附金又は災害義援金等に関する確認事務について(事務運営指針)

○ 義援金等を募集する募金団体にあっては、募集する義援金等が国等に対する寄附金に該当するかどうかについて、最寄りの税務署の法人課税部門又は個人課税部門にお尋ね下さい。


(注1) 直接、日本赤十字社、報道機関等に対して支出する義援金等で、最終的に地方公共団体に拠出されるものは、特段の確認手続きを要することなく、「国等に対する寄附金」に該当します。
(注2) 税制上の特典は以下のとおり。
 個人が支出する寄附金
 寄附金控除(所得金額の40%又は寄附金の額のいずれか少ない方の金額から2千円を控除した金額を所得から控除する。)の対象となる。
 法人が支出する寄附金
 全額が損金算入の対象となる。


(引用ここまで)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


つまり、日本赤十字社のように国や地方公共団体に拠出されることが確実であるものに関しては寄付金控除の証明書がなくても振り込んだことが証明できるもの(振込控など)があれば控除の対象となることとされました。
例えば、アップルがiTunes Storeを通して行っている義援金募集も、アップルから届くメールのコピーとクレジットカードの利用明細書があればOKですね。
(注)アップルがiTunes Storeを通して行っている義援金はアメリカ赤十字社に対するものなので、日本の税額控除は受けられません。

 
 
 
震災地の復興はこれから始まります。
この取り扱いによって、比較的簡単に金銭による支援ができるようになりました。
いまわたしたちにできることを精一杯することで、この未曾有の大災害を乗り切りましょう!

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税金の無くなった世界とは?

 

税金の無くなった世界とは、いったいどんな世界になるんでしょう?

タックスヘイブンの名の通り、天国のような世界でしょうか?

 

すぐに思いつくのは、公共サービスがすべて有料化されるということですね。

警察で道を聞こうと思ったら、料金を請求されることになります。

交通事故で救急車を呼ぼうにも、お金が無ければ呼べません。

道路も整備されずに放置されますので、穴だらけになるでしょう。

ゴミの回収も有料化されますが、お金を払うのがイヤな人はそこら中にゴミを捨てっぱなしにするでしょう。

もちろんそれを咎める人もいなくなります。

 

 

 

 

 

 

それだけではありません。

公務員達もいなくなりますから、国会が開催されなくなります。

こうなると政治を司る人が誰もいなくなります。

法律もなくなりますので、誰も法を守らなくなります。

誰も法を守らなくなると、力の強い人が台頭するようになります。

腕っ節だけがものをいう世界が到来することになります。

 

まさに弱肉強食、ジャイアンが王様であるかのような世界が到来するのです。

絶対君主国家の復活ですね。

(ご存じの方は、北斗の拳を想像してみてください。あんな世界です。)

 

 

 

 

 

 

さて、こうなると彼ら絶対君主は民衆に何を求めるようになるでしょう?

そうです、みつぎものですね。

みつぎものは絶対君主の気分で多くも少なくもなります。

そしてみつぎものを納めない者は、見せしめのために処刑されるかもしれません。

 

 

 

 

 

 

ところでこのみつぎものって、結局は税金と同じじゃありませんか?

税金の無くなった世界になったはずなのに、税金より苦しいみつぎものを求められるようになるんですね。

 

このように、税金は秩序そのものだったりします。

税金があるからこそ、わたしたちは安心して日々暮らしていくことが出来るのですね。

 

そう考えると、税金もあながち悪いものじゃないでしょ?

 

 

 

 

 

もうお気づきの方も多いかと思いますが、問題は税金そのものではなくて、税金の使われ方なのです。

そろそろ衆議院の総選挙が行われますね。

わたしたちの税金を、誰が最も正しく使ってくれるのか、今一度考えてみる必要がありそうです。

 

 

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税法と会計の関係(法人税編)

  

税法と会計は切っても切れない関係にあることは、みなさんご存じの通りです。

それではどの程度密接な関係があるのかはご存じですか?

会計がなければ税法は成り立たないのでしょうか?

以前のエントリーで所得税編をお伝えしましたので、今回は法人税編を書いてみましょう。

 

 

法人税法は、消費税法よりも会計と密接な関係を持っています。

法人税法22条4項という規定があるのですが、ここでは『法人税の課税所得は、企業が計算した利益を基準とする』(正確な表現ではありません)とされています。

つまり、企業が決算を確定しなければ税金の計算がスタートしないという仕組みになっているんです。

なぜこんな仕組みになっているのかと言えば、法人の場合、利益の確定は株主総会の決議を経なければならないことになっているからなんです。

経理担当取締役が正確な決算書を作成したとしても、それが株主総会の承認を得なければ確定しないんです。

そしてその確定しない利益の処分は無効を主張されることがあるんですね。

その利益の処分には当然税金も含まれるため、株主総会を経て確定した利益を持って税金の計算をスタートするという規定になっているんです。

 

 

所得税編では『所得税法では、決算書の作成が最重要課題となります』と書きました。

もちろん法人税法でも決算書の作成は最重要課題であることには違いないのですが、法人税法は所得税法とは違い、決算書上の間違いは申告書上で修正が可能なんです。

法人税法と所得税法の最も大きな違いは、ここにあるんですね。

 

元々会計とはアバウトなものです。

例を挙げてみましょう。

新しい乗用車の場合、一般的に法定耐用年数は6年だとされています。

つまり6年間で少しずつ必要経費としていくのが、減価償却と呼ばれるプロセスなんですね。

ここであまり知られていないのが、この『法定耐用年数』というもの。

もっというと『法定』って部分なんです。

『法定』っていうくらいだから何かの法律で定められているはずですが、実はこれ税法の規定なんです。

『耐用年数省令』と呼ばれるものの中に定められているんですね。

ってことは・・・?

そう、会計の概念じゃないってこと。

会計の概念じゃないんだったら、会計はそれを守らなきゃならないんでしょうか?

 

 

 

守る必要はないんですっ!

 

 

 

おどろきましたか?

でも事実なんです。

例えばある企業が、3年ごとに社用車を買い換えることとしていたとしましょう。

この場合、たとえ法定耐用年数が6年と定められている乗用車であっても、3年で償却することが会計的には正しいことになります。

つまり極端な話、毎年買い換えることとしているならば全額を一気に経費としてもかまわないことになります。

かまわないというよりかは、そうすることが会計的には正しいということになるんですね。

 

このように、会計上は経営者の判断が大きく関わってくることになります。

ここで勘の良い方であれば気づいたかと思います。

『それって利益操作に使えるんじゃないか?』

その通り、利益操作に使おうと思えば使えるんですね。

特にこの方法が認められるのであれば、誰でも簡単に節税が可能となります。

そりゃそうですよね、毎年自動車を買い換えるだけで全額経費となるんですから。

 

そこで登場するのが、法人税の申告書だってこと。

法人税の申告書は『別表』という名で呼ばれるのですが、このうち別表4という書類がくせ者なんです。

別表4は『法人税法上の損益計算書』と呼ばれているもので、会計的には正しくても税法上は間違っているものは、ここで修正することになります。

つまりたとえ会社が3年ごとに自動車を買い換えることとしている場合でも、法人税を計算する上では6年間で経費とするように利益を調整し直すシステムとなっているんです。

このように法人税法上では、たとえ会社が経費として計上したものであっても、法人税法から見て間違っている場合には別表4を使って修正することになるのです。

会計学と呼ばれる分野の中で、特にこの税法との絡みで問題となってくる部分のことを税務会計と呼んでいます。

 

 

ここで、雑学を一つ。

『必要経費』という言葉ですが、これは本来所得税法上の専門用語なんですね。

所得税法上、収入から差し引くことが出来るもののことを必要経費と呼びます。

つまり、会計学における『経費』よりも概念的には狭くなります。

そして法人税法における『必要経費』と同様の概念のことを『損金』と呼びます。

この『損金』も『経費』よりは狭い概念となります。

わかりやすく書くと、会計上経費となるものであっても法人税法上損金とならないものがあるんだってことですね。

これが法人税法の最も特徴的であり、難しいところとなります。 

お手元に法人税の申告書をお持ちの経営者の方がいらっしゃいましたら、是非一度別表4をご覧ください。

キャラ立ち決算書へのヒントが見つかるかもしれませんよ。

 

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本当に景気って悪いのかな?

  

最近、ことあるごとに不況だ不況だって言われます。

新聞、テレビなどでも不況という言葉が出ない日はないくらいだと思います。

経営者たちもご多分に漏れず、口を開けば不況だと言いますが、

 

 

 

本当に不況なんでしょうか?

 

 

 

 

確かに日本全体の景気を概観した場合、最近は景気後退時期に入っていることは確かでしょう。

またここ最近の自動車産業のように、本当に業績が悪化している業種もあるにはあります。

しかしIT産業のように伸びている業界もあるんです。

というと「それはIT産業だからでしょ?」という方がいらっしゃいます。

いいえ、そうではありません。

それじゃ、こんな例はいかがですか?

 

 

不況になると真っ先に悪くなる業界があります。

その代表的なものが美容業界なんです。

景気がいい頃は毎月カット&カラー&パーマだった方が、不況になるとカラー&パーマは2ヶ月に1回になったりします。

こうして全体的な売上が下がってくるわけですが、そんな美容業界の中でも伸びているところもあるんです。

そしてその伸びている企業は、おそらく自分たちは不況だとは考えていないんじゃないでしょうか?

「世間は不況だって言うけど・・・」って考えているはずですよね。

 

 

わたしは日本人はお金持ちだと考えています。

タンス預金が3兆円を超えると言われている日本人が、お金が無いはずがありませんから。

バブルが崩壊して以来、ずっと日本では景気が回復しないと言われ続けてきました。

その間元来貯蓄好きの日本人は、さらに貯蓄量を伸ばしてきたと考えられます。

そうして貯めたお金を、日本人はどこで使っているんでしょう?

実は、海外で使っちゃってるんですね。

日本人は、自分で自分の首を絞めているんです。

日本国内で消費活動を制限し、貯まったお金を海外旅行で使っているのが日本の悪いところだと考えています。 

 

 

政府は税制を通じて、何とか国内の消費を喚起しようと躍起になっています。

その代表格が、いわゆるローン減税と呼ばれるものです。

昨年までは少しずつ減少の方向にあったのですが、平成21年度の税制改正では過去最大の減税規模となる予定です。

従来、住宅需要が増えるとその周辺消費財(家具類など)の需要も増えるので、消費の増大を見込めると言われてきました。

しかし最近の住宅事情を見たところ、新たに住宅を購入して引越はしたものの、家具類はそのまま持って行くケースが非常に多くなってきています。

つまり従来ほど消費の増大に影響を及ぼさなくなってきているんですね。

わたしはそろそろ従来効果が出なかったローン減税は、見直す必要があるのではないかと考えています。

みなさん減税の上限額に踊らされているようですが、9割以上の方は上限額に満たないどころかその半分程度の減税効果しか享受できていないのではないかと感じています。

もっと思い切った政策が取れないものかと考えてしまいます。

例えば交際費課税の凍結とか、ね。

(法人税法では、交際費は原則全額課税対象となるんですよ)

 

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ペット税ってどうなんだろう?

  

『自民党の動物愛護管理推進議員連盟(会長=鳩山総務相)は、犬や猫などの飼い主に課税する「ペット税」の導入に向けた議論を近く開始する。』(読売新聞)

 

だそうですが、これはどうなんでしょうね?

なんのためにペット税を導入するのかという原点に戻ると、安易に飼育を放棄してしまう飼い主を減らすための方策だそうです。

確かに飼育に飽きたりして安易に捨ててしまう人が多いのは事実です。

現に、わたしが飼っている猫4匹とヤギ1頭(驚きでしょ?捨てられていたんですよっ!)は捨てられていたものや飼えなくなって引き取ったものばかりですから。

 

もし今回、ペット税が導入されたらどうなるでしょう?

まず間違いなく、短期的にはペットの飼育放棄が爆発的に増えることでしょう。

その後はどうなるのでしょうか?

わたしはすぐに廃止されるのではないかと考えています。

なぜならば、どのペットに課税してどのペットに課税しないかが大きな問題となるだろうということは、簡単に予測できるからです。

 

例えば犬と猫だけに課税するとなると、鳥はどうなる?ウサギは?ハムスターは? ハツカネズミは?金魚は?ヘビは?カエルは?・・・ってなりますよね?

そして、もし仮に納税しない人がいたらどうするのでしょう?

ペットを取り上げる?それって捨てるのと同じになりますね。

最近ホームレスの人たちが、犬や猫を飼っているのを見かけます。

彼らに納税しろといったところで、無理な話ですしね。

 

それよりもマイクロチップを義務化した方がずっと有効だと思うのですが、いかがでしょうか?

 

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税法と会計の関係(所得税編)

  

会計が絡む税法の代表格というと、所得税法と法人税法となります。

この所得税法と法人税法とでは、会計との絡み方が少し違います。

今回は、この違いについて解説しましょう。

えっ?そんなの興味ないって?

まぁそう言わずに。雑学だと思って、ね。

 

 

まずは所得税法から。

所得税法では、決算書の作成が最重要課題となります。

というのは、所得税法において決算書での間違いは、即修正申告に繋がるからです。

『えっ?法人税法では違うの?』ですって?

はい、違います。

法人税法では、決算書での間違いはリカバリー可能なのです。

でも、それは次回のお話し。

 

 

もうすこし詳しく説明しましょう。

実際にごらんになったことのある方はご存じだと思いますが、所得税の申告書は非常に単純な仕組みとなっています。

なんといってもA4用紙で1枚ですから。

実物は2枚組になっていますが、そのうちの1枚は明細書となっています。

この申告書に記載する所得金額から、配偶者控除や医療費控除、基礎控除など所得控除と呼ばれるものを差し引いて課税所得を計算します。

この課税所得に税率を乗じて税額を計算する仕組みとなっているのです。

つまり申告書に記載する段階で、すでに正しい所得金額を計算しておかなければならない点が、所得税法における特徴となります。

この所得金額というものが、会計における当期純利益と呼ばれるものと一致することになります。

 

実はここで会計的に問題が生じるのです。

会計学を勉強したことのある方であればおわかりかと思いますが、会計とは作成者の意志決定により作成されます。

ここに作成者の意図が反映されるのです。

例えばこのようなことがあります。

ある個人企業で、商品配送用のトラックを購入したとします。

このトラック、所得税法では耐用年数を5年として減価償却費の計算をすることになります。

つまり5年間で少しずつ費用化していくことになるのです。

ところがこの企業では、トラックを必ず3年で買い換えることとしていたとします。

この場合、会計学的にはこのトラックは3年で減価償却するのが正しい方法となりますが、所得税法はこれを認めてはくれません。

そこでやむなくこの企業は5年で減価償却の計算をし、3年目に買い換えるときにはまだ2年分残った簿価を一時に損失計上することで帳尻を合わせることになります。

帳尻を合わせると書きましたが、まさにこの表現がぴったりなのが所得税法における会計学なのです。

このように会計学的に見れば問題の残る方法をあえて選択しているのには、理由があります。

会計学の本当に難しい部分を回避するようにつくられているからです。

会計学の本当に難しい部分とは、公正な恣意性を判断基準にする点です。

わかりやすく表現すれば、過度な利益操作に繋がらない範囲内で最も有利な方法を選択しなければならないという点にあるのです。

このためには会計学に精通する必要がありますが、個人企業レベルではこれを実現することは難しいということなのでしょう。

個人企業レベルというのは、法人組織に移行直前の企業から田舎の駄菓子屋のおばあちゃんといったところまで実に幅広いものです。

これら全ての企業に対応させようと思えば、基準を一番レベルの低い部分にもって来ざるを得ないことになります。

ということで、この公正な恣意性が必要となる判断を極力なくす方向でつくられているのが所得税法となります。

 

一言で言えば、誰にでもわかりやすく簡単にというコンセプトで作られているのが所得税法だということになります。

とはいえ税法ですから難解であることには違いないのですけどね。

会計学的に見れば、最低限度の知識で決算書や申告書の作成が可能となるのが所得税法の特徴となるでしょう。

 

それでは、次回は法人税法と会計学の関係について解説しましょう。

 

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知らないと損をするのが税法!

  

日本の税法は、基本的に自主申告制度を採用しています。

自主申告制度、つまりは自分で申告するということですね。

自分で申告するということはどういうことだかわかりますか?

たくさんある規定の中から、どんな特典があるのかを自分で見つけ出して、どの特典を使うのかを自分で判断して、自分で申告するということなのです。

つまり、一言で言うと

 

 

 

知らなかったは通用しないっ!

 

 

 

ということです。

まぁでもこれは、法律一般に言えることでもあるんですけどね。

例えば時速30キロ制限の道路を、それを知らずに60キロで走っていたら警察に捕まるでしょ?

そのときに『いや、知らなかったから』って通用しますか?

しませんよね?

これと同じなんです。

 

 

税法では、知らなかったら損をするパターンが二通りあります。

その一つは『そんな特典知らなかったっ!(泣)』というパターン。

例えば青色申告という制度があります。

この制度を利用しようと思えば、設立(開業)後一定の期間内に青色申告承認申請書と呼ばれる書類を税務署に提出しなければなりません。

しかもそんな制度があるなんてこと、だれも言ってはくれません。

自分で調べて、自分で書類を手に入れて、自分で記入して、自分で提出しなければならないのです。

そしてこの届出書、その提出が1日でも遅れるとアウト。

そう、税法は待ったが効かない法律なのです。

 

また自宅を売却した場合に3000万円の特別控除を受けられる場合があります。

これも知らなければ、本来必要なかったはずの税金を数千万円も納付してしまう可能性だってあるのです。

そして困るのは、このような特典を受けずに申告書を提出してしまった場合、税務署は何も言っては来ないってことです。

なぜならば、それはその人自身がその特典を受けないことを選択したことになってしまうからなのです。

このような特典は、まだまだたくさんあります。

 

 

 

そして二つ目は『えっ!これってダメだったの?(泣)』というパターン。

ぶっちゃけ言うと、税法は『脱税』と『知らずに間違ったこと』の区別はありません。

どっちにしろ、間違いは間違いとなってしまいます。

『脱税』であっても『知らずに間違ったこと』であっても、同じように修正申告を要求され、同じように延滞税や加算税が課されます。

 

税法は他の法律とは違って毎年かなりの改正が入ります。

昨年まであった特典が突然無くなったり、逆にその年だけの限定で大きな特典が設けられたりします。

みなさんがご自分でチェックするのは大変だと思いますので、気になったことがあれば専門家に相談されることをおすすめいたします。

 

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