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借入金で節税効果がある場合
最近、「借入金、節税効果」などのワードで検索してこられる方が増えています。
わたしは今までこのブログでは、「借入金は経費にならないため節税にはならない」と書いてきました。
これはこれで間違いではありませんが、実は誤解を生じる可能性もあるんです。
ということで、今回は借入金が節税効果を生じる場合についてお話ししてみましょう。
「えっ?そんなことあるの?」と驚かれた方もいらっしゃるかと思います。
あるんです。
確かにあるんですね。
ただ、それは相続税や贈与税の場合に限るんです。
法人税や所得税の計算において、借入金の返済が経費にならないことは間違いないんです。
しかし相続税や贈与税の計算は、法人税や所得税の計算のように収益から費用を差し引いて利益を計算するようにはなっていないんです。
相続税や贈与税の計算では、もらった財産から引き継いだ債務を差し引いて純粋な財産の増加額を計算するようになっています。
つまりこの場合には、債務である借入金はもらった財産から差し引くことが出来るんです。
バブルの頃、この方法を用いて節税対策をする人がたくさんいた時期がありました。
あまりにたくさんの人がこの方法を用いたため、一時期この方法に規制がかかったほどです。
『どんな方法なんだ?』ですって?
これはホント簡単ですよ。
銀行などからお金を借りて不動産を購入したんです。
相続税や贈与税の計算上、不動産の評価は通常の売買価額より低くなる一方、債務である借入金の評価額はそのままの金額なのです。
一つ例を挙げてみましょう。
10億円の借入金で10億円の収益マンションを購入したとします。
購入直後に死亡したとしたら、10億円の借入金はそのまま残っていますよね。
一方収益マンションの評価額は10億円ではなくて8億万円程度になるんですよねぇ。
ってことは・・・・。
そうですね、他の財産が2億円あったとしても純粋な財産の増加額は0円ということになります。
これが借入金を用いた節税対策なんです。
もちろん、この規定が必ず使えるかといえばそうではありません。
使えないケースもありますので、実際に使う時には専門家に相談して下さいね。
2008年1月20日