思考を超えた節税で企業の可処分所得の最大化を目指す:安藤税務会計事務所

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節税は企業を潰す!?〜後編

 

前回のエントリーは、資金調達のためには自己資本が重要であるというお話

でした。

今回はそれが節税とどのような関係があるのかを解明していきましょう。

 

経営者であれば、誰でも節税は興味があるところですね。

もちろんそれが悪いわけではありません。

不必要な税金など1円たりとも支払う必要などありませんからね。

しかしそれも度を過ぎると、企業経営に悪影響を及ぼすことになります。

 

 

 

 

 

 

 

節税をするということは、納付する税金を減らすということですね。

それでは納付する税金はどのように計算するのでしょう?

所得税も法人税も、所得に対して課税されます。

簡単に言えば、利益に課税されるということです。

その税金を減らすということは、利益を減らすということにつながります。

中小企業において多く見られるのが、経費を増やすことで利益を少なくする
方法です。

この方法を使うと、確かに節税となります。

節税になるのは良いのですが、企業経営というものには波があります。

良いときもあれば悪いときも当然あるのです。

そして経営状態が悪化すると、当然それに伴って資金も不足します。

資金が不足すると、経営者は金融機関に融資を依頼することになります。

悲劇はこのときに起こります。

 

 

 

 

 

 

 

融資の依頼を受けた金融機関は、審査をするにあたりその企業に決算書の
提出を要請します。

一般的に直近のものから、2〜3期前のものまでを提出することになります。

ここで金融機関が目にする決算書は、節税のため利益がほとんど計上されて
いない決算書なのです。

利益が計上されていないということは、当然その利益の蓄積である利益剰余
金もほとんど無いことを意味します。

利益剰余金がほとんど無いということは、自己資本が少ないということを意
味するのです。

まさかこの状態で自己資本が充実している企業なんてあまり考えられません
からね。

ということは・・・

そうです、例のスコアリングに悪影響を及ぼすということになるのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

もちろん例外はあります。

金融庁が編纂している金融検査マニュアルというものがあります。

これには、金融庁が金融機関の貸し出し状況をチェックするときの項目が書かれています。

各金融機関は、この金融検査マニュアルに従って企業をスコアリングしていることになりますが、実は金融検査マニュアルには別冊があります。

この別冊には、中小企業への特例が載っているのです。

中小企業と大企業を同じレベルでスコアリングすることは適切ではないからです。

 

 

この特例のうち代表的なものとしては、中小企業の経営者からの借入金があります。

中小企業は、経営者からの借入金がある企業が多いのが特徴となります。

これは中小企業の場合、企業と経営者は一体であることがほとんどだからです。

そして、企業と経営者が一体であるということは、経営者から借りたお金には強制的な返済義務が存在しないことを意味します。

つまり、社長からの借入金は無いものとして見てくれるということになります。

 

 

 

 

 

 

 

 

このように例外はあるものの、やはり基本は自己資本の充実が最重要ファクターとなります。

ということで、節税と融資の受けやすさは相反することとなるのです。

 

 

節税も良いですが、あまり度を過ぎると事業経営に支障を来すこともよくありますので、注意が必要ですね。

 

 

 

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2010年1月18日