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決算書占い〜倒産に向かう会社の決算書

 

人は、お金の使い方に性格が表れます。

高級外車を乗り回し、身なりも一流のブランドで固めている人は、やはり普段の生活も派手です。

その一方で、お金があるにも関わらず中古の国産車に乗り、身なりも清潔ではあるものの決して高級なものを纏わない人もいます。

 

企業、とりわけ中小企業では、その方針は社長が握っていることが多いようです。

ということは、その企業におけるお金の使い方は、その社長の考え方を色濃く反映することになります。

企業におけるお金の使い方とは、経営方針と言い換えることもできます。

企業は経営方針に従って、設備投資をしたり蓄財をしたりするからです。

 

企業におけるお金の使い方を一覧表にしたものが、決算書となります。

ということは、決算書を見ればその企業の経営方針が見えてくるということですね。

これは、その企業の社長の正確が見えてくることと同じなのです。

 

つまり、決算書を見ればその企業の将来を占えるということになります。

 

 

 

 

 

こんな決算書を考えてみましょう。

社員は社長と3人のスタッフです。

現預金はそれほど多くはありません。

売掛金は年間売上高の2ヶ月程度と平均的です。

業種はサービス業のため、在庫はありません。

固定資産として自社ビルがあります。

もちろん敷地も自社の所有です。

車両運搬具は1000万円を超えています。

投資その他の資産には、保険積立金があります。

 

負債には借入金が目立ちます。

自社ビルを建てるときに銀行から借りたためです。

自動車もローンのため、未払金が計上されています。

社長からの借入金はありません。

 

損益計算書では、売上高と売上総利益は多く計上されています。

売上総利益の50%程度は人件費で占められています。

総人件費の1/3は役員報酬となっています。

費用で目立つのは、保険料・消耗品費・旅費交通費・交際費などです。

銀行からの借入金が多いため、支払利息も多くなっています。

税引前当期純利益は、売上高の20%となっています。

 

 

 

 

この決算書からは何が見えるでしょうか?

現預金が多くないということですが、ここからは三つの原因が考えられます。

一つは業績が悪いため資金繰りが悪化しているという可能性。

二つ目は節税目的で費用を支出しているという可能性。

三つ目は借入金の返済に追われているという可能性です。

売上高と売上総利益は多いということから、業績は悪くないはずです。

ここから、この企業の社長は積極的に節税をしていると考えられます。

さらに、借入金が多いことから返済に追われている可能性もあります。

 

 

次に自社ビルがあるというところに着目します。

設備投資は売上に反映するものでなければ意味がありません。

この企業はサービス業ということなので、基本的に自社ビルは必要ありません。

つまり自社ビルの土地建物は不必要な資産である可能性が高くなります。

ここで、先ほどの現預金が少ないという点にも着目してみます。

税引前当期純利益が売上高の20%もあるにもかかわらず、現預金が少ないということは、やはり資金が借入金の返済で食われていることを意味します。

ここからもこの自社ビルが収益計上に役立ってはいないことが伺えます。

 

 

車両運搬具が1000万円を超えているということは、台数が多いのか、1台あたりの価格が高いのかのどちらかです。

いずれにしてもローンで購入しているということは、資金繰りが良くないことを意味します。

必要性の乏しい自社ビルを有しているところから、おそらくこの社長は自己顕示欲が強いのではないかという予測ができます。

そういう見方をすると、損益計算書での交際費が多いことも納得できます。

こういう社長の場合、一台あたりの価格が高い車両を購入しているケースが多いようです。

旅費交通費が多いのは、移動にもっぱらこの自動車を使用しているため、ガソリン代や高速代、駐車料金がかさんでいることを意味します。

 

 

保険積立金が存在し、保険料が多いところから、節税目的の保険に加入していることが考えられます。

現預金も多くないようですから、やはりこの社長は熱心に節税に取り組んでいるようです。

消耗品費が多いところからも、この傾向が見られます。

10万円未満の備品は減価償却の対象とはならないため、全額費用となるからです。

 

 

 

 

 

 

さて、ざっと見てきましたが、この企業の将来はどのように見えますか?

積極的に節税に取り組むのは良いのですが、社内の留保利益が少なければ、いつまで経っても信用はつきません。

こうなると、いつ銀行がお金を貸してくれなくなってもおかしくはないのです。

返済が滞る可能性が高くなってくるからです。

このようなときのためには、社長の役員報酬の一部を貯めておき、資金繰りが悪化したときにはこれを利用するようにするものです。

しかしこの企業、社長からの借入金はありませんでした。

ここから、この社長は役員報酬を使い切っていることが考えられます。

役員報酬を使い切る場合、最も多いパターンは住宅ローンです。

比較的多い売上総利益の50%が人件費であり、そのうちの1/3が役員報酬ということですから、相当な金額であることになります。

ここから、この社長はプライベートでも派手な生活をしていることが想像できます。

 

このような決算書から見えるのは、近い将来業績が悪化したときに、一気に倒産街道を突き進むことになることです。

まずはじめに自社ビル分の銀行借入金が返済できなくなります。

業績が良いときでさえぎりぎりの資金繰りだったのですから、当然ですね。

こういう場合、通常であれば役員報酬を減額してしのぐのですが、住宅ローンがある場合にはこれができなくなります。

こうなると、社長は自社ビルと自宅を守るために、周りの取引先に迷惑をかけるようになります。

外注先には、単価を下げろといいます。

銀行には、借入金の返済額を下げろといいます。

スタッフの給料を下げようとします。

さらにはスタッフを減らそうとまでしはじめます。

 

このような社長を、誰が応援しようと思うでしょう?

誰が力になってやろうと考えるでしょうか?

 

こうして下り坂を転がるように倒産への道を走り出すようになるのです。 

 

 

大切なのは、必要のない設備投資はしないということ。

万が一の時の事を頭に入れて、常に余剰資金を持ちながら経営することが必要なのです。

企業は、お金が無くなれば倒産するしかありません。

しっかりと資金繰りを身につけることが最も重要なのです。

 

  

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2009年5月26日

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