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お金の流れを見るにはキャッシュフロー計算書ではダメだっ!
最近の企業会計では当たり前のようになっていますが、キャッシュフロー計算書というものをご存じでしょうか?
大企業では必須の書類になっていますが、中小企業レベルではまだ完全に浸透しているとまでは言えないようです。
っていうか、浸透する必要ないんですけどね。
そうなんです、
こんなもの中小企業には必要ないんですよ。
そもそもキャッシュフロー計算書ってどうして必要だといわれるようになったのか、ご存じですか?
決算書は黒字であるにも関わらず、ある日突然倒産する企業があることが、一時問題になりました。
理由は簡単に言えば、資金繰りの悪化なんです。
ピンと来ませんか?
それでは一つ例を挙げてみましょう。
ある企業が、その一年の間に1億円の売上を計上しました。
ただし回収は2ヶ月先だったので、売掛金としました。
この1年間の取引がこれだけだったとしたら、この年の利益はいくらですか?
簡単ですね、1億円です。
次の月に、何かの支払いをしなければならなくなったとします。
さてこの企業に支払えるお金はいくらありますか?
これも簡単ですね、0円です。
わかりますよね?
1億円はまだ回収されていませんから。
それじゃ、この企業どうなると思います?
黒 字 倒 産
ですよね。
すっごく単純な例示でしたが、考え方はこのようになります。
それではもう一歩踏み込んでみましょう。
この企業の決算書上の利益をみて、ある投資家が投資をしてくれることになったとします。
この企業は投資を受けて支払いをすることが出来ました。
ところが、2ヶ月後に入ってくるはずの売掛金が入ってきませんでした。
売上先の会社が倒産したのです。
このあおりを食らって、この企業も連鎖倒産しました。
困るのは投資家です。
投資家は1億円の黒字である決算書を信頼して投資をしたのですが、まさかこの企業にお金がないとは思っても見なかったのです。
こういう事があって、企業の利益だけではなくてお金の動きも開示しようという動きが出てきました。
その結果誕生したものが、キャッシュフロー計算書なのです。
つまりこれは、大企業の投資家向けの書類なんです。
そもそも中小企業のためではないんですね。
これを裏付けるエピソードを一つ紹介しましょう。
銀行は中小企業への融資の際にキャッシュフロー計算書を提出して欲しいとは言いませんっ!
資金計画を提出して欲しいと言うことはあります。
そうなんです。
中小企業にとって必要なものは、キャッシュフロー計算書ではなくて資金繰り表なんですっ!
それでは、今日の結論に入りましょう。
いつも書いていますが、中小企業は【お金が全て】です。
それも【現在から将来にかけてのお金】が重要であって、【過去のお金】はどうでも良いことです。
去年お金があったとしても、何の役にも立ちませんよね?
であれば、資金繰り計画表の作成が重要であってキャッシュフロー計算書は必要ないんです。
ここで資金繰り計画表とキャッシュフロー計算書の違いについて触れてみましょう。
この2者の違いは、ずばり【未来か過去か】にあります。
資金繰り計画表は明日以降の資金繰りをするために作成するものです。
キャッシュフロー計算書とは、過去のデータを元に過去のお金の動きを表すものなんです。
いかがですか?
キャッシュフロー計算書の落とし穴、理解していただけました?
中小企業にとって過去のことなんかどうでも良いんです。
大切なのは明日から続く未来なのです。
最近流行のキャッシュフロー計算書や貸借対照表に踊らされることのないようにしてくださいねっ!
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2007年7月14日
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