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<ゼロで乗る>馬から学んだボスの力〜その5

 

<ゼロで乗る>

聞き慣れない言葉ですね。

これは日本におけるウエスタン馬術の第一人者である土岐田勘次郎氏の言葉です。

 

前回<わかるように伝えるではまだ不足!>では、伝えたい事柄は相手の頭の中にあるボキャブラリーを超えてはいけないと書きました。

この理由はわかりますよね、当たり前のことですが案外見過ごされているところです。

特に専門分野の話の場合、専門用語を羅列して説明する人がいますが、これでは相手に伝わらないため全く意味がありません。

 

それではこちらの意図するところを相手に伝えたとして、それをどのようにして確認すればいいのでしょう?

 

 

 

 

 

 

<ゼロで乗る>

土岐田勘次郎氏は次のように言います。

馬がこちらの指示通りに動かなかった場合、手綱やハミ・脚を使って咎めることでそれを修正するのですが、直ったかどうかを確認する必要があります。

その1つの方法として、次にその馬に跨るとき全くプレッシャーをかけずに馬にやらせてみるのです。

これを<ゼロで乗る>と言います。

できればOKですが、出来なければ再度修正することになります。

 

 

 

 

 

 

つまり<ゼロで乗る>とは、自分の意図するところが相手に伝わったかどうかを確認するために、何も注意を与えずにもう一度やらせてみることをいいます。

 

たしかにこの確認作業は面倒なものです。

ほとんどの人が『わかったな?』で済ませているのではないでしょうか?

しかしこれをやっておかなければどうなるのでしょう?

 

もしかしたら、間違って相手に伝わっているかもしれません。

あるいは、微妙にずれて伝わっている可能性もあるでしょう。

そして最もやっかいなのが、この『微妙にずれて伝わっている』時なのです。

 

全く間違って伝わっていたならば、すぐに咎めることも出来るでしょう。

もう一度伝え直すことも可能です。

しかし『微妙にずれて伝わっている』場合には、伝えた本人すら気づかないことがあるのです。

すると、ある悲劇が訪れます。

ある日、あなたがその『ずれ』に気づいて咎めたらどうなるでしょう?

 

 

 

『なんで今頃?今まで何も言わなかったじゃないか!』

 

 

 

なんということでしょう!

2つ前のエントリー<小さな反抗を見逃すな!>で書いたところに逆戻りしてしまうのです。

人は行動する際には、何らかの選択をします。

ボスとNo.2の関係において、この選択についてボスが何も言わなかったらどうなるでしょう?

No.2にとってそれは、ボスが黙認したことになるのです。

もちろん一度や二度だったならば、まだ修正は効くかもしれません。

しかしそれを何度も繰り返したあとだったならば・・・。

それが1年後だったならば・・・。

そのときに咎められても、素直に聞けないのが人間だとは思いませんか?

こうなるとせっかくの優秀なスタッフが育たなくなってしまうかもしれません。

 

<ゼロで乗る>

人を育てるのは面倒なもの。

どうせ面倒ならば、その面倒を無駄にしたくはないものですね。

 

 

 

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2010年06月16日

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