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<[わかるように伝える]ではまだ不足!>馬から学んだボスの力〜その4
小さな反抗を見逃さず、面倒でもいちいち咎めていくことが、ボスに求められる力の1つでした。
咎めるためには、何について咎められているのかを、咎められている本人が理解する必要があります。
何について咎められているのかがわからなければ、それを直すことが出来ないからですね。
咎めると言えば・・・
「なんでわからないんだ!?」
あるいは
「何度言ったらわかるんだ!」
こんな言葉、良く耳にしませんか?
あるいは、自分で言ったことありませんか?
なぜこんなことになるのでしょう?

ウエスタン馬術では、馬にいろんな動きをさせます。
例えば大きなサークル運動から小さなサークル運動に移るという動きがあります。
はじめは直径20メートルぐらいの大きな円を描くように走っている馬を、直径10メートルぐらいの小さな円を描くように移行させるものです。
大きなサークル運動を描いているときは、馬は速いスピードで走り、小さなサークルを描くときには、ゆったりとした速度で走ります。
馬は、この動きそのものは元々出来ます。
しかし競技では、ライダーが決めた瞬間にスピードを落として小さなサークル運動に移行しなければなりません。
ここに馬術の難しさがあります。
わたしははじめ、これを馬に伝えるために、わたしが決めた瞬間に手綱を引いてスピードを落とさせようと考えました。
馬は、手綱を引けばスピードを落とすようにトレーニングされているからです。
しかし最終的には、体重移動でそれを馬に伝えなければなりません。
ウエスタン馬術の最大の特徴は、ルーズレインという、緩めた手綱にあるからです。
ですから、はじめに体重移動をして、それでもスピードを落とさなければ手綱を引くことで伝えようとしました。これによって、最終的に体重移動でスピードを落とすことにつなげられると考えたからです。
ところが、何度やってもわたしが指示した瞬間にスピードを落としてはくれません。
『どうやら、うまく伝わっていないようだ』ということはわたしにもわかりました。
そこでわたしがやったことは、もっと強く手綱を引くことだったのです。
強く引くことでよりはっきりと馬に伝えることが出来ると考えました。
そして馬がスピードを落とした瞬間にリリースしてやれば、馬が学習してくれると考えたのです。
ところが、結果はどんどん悪くなりました。
馬は素直にスピードを落とすどころか、イライラし始めたのです。
何が悪かったのでしょうか?
わたしの指示が間違っていたのでしょうか?
わたしの指示は間違っていませんでした。
しかし、伝わっていなかったのです。
見かねた先輩ライダーが教えてくれました。
『体重移動をして、手綱を引き、馬を駆歩から速歩に移行して止める。そして止まったらリリース。』
それまでわたしは、手綱を引いてスピードを落としたらリリースしようと考えていたのです。しかしスピードを落とさなかったため、結果としていつまでもリリースすることが出来ずにいました。
プレッシャーをかけ続けられた馬がイライラし始めるのは当然のことだったのです。
つまりはわたしの方法は間違ってはいなかったけれど、馬には伝わっていなかったのです。
当然ですが、わたしは『わかるように伝えよう』と考えてやっていました。
しかしその方法がわかりやすいかどうかの答えは、相手の中にあるのです。
自分の伝え方は絶対ではありません。
辞書は相手の頭の中にしか存在しないのです。
本気で伝えようと思えば、相手の頭の中にあるボキャブラリーを超えてはダメなんですね。
それを無視して続けても、伝わらないどころが逆効果にさえなってしまいます。
良い勉強になりました。
効果的に相手に伝える方法がわかったことで、馬は体重移動でスピードを落とすようになりました。
わかるように伝えたならば、次にやるべきことがあります。
それは伝わったかどうかを見極めることです。
これを怠ると、大変なことになります。
それが
「なんでわからないんだ!?」
あるいは
「何度言ったらわかるんだ!」
なのです。
次回『ゼロで乗る』では、その方法を明らかにしましょう。
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ワンクリックっ!お願いしま~す。
2010年04月20日
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