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<小さな反抗を見逃すな!>馬から学んだボスの力〜その3

 

馬はとても賢い動物です。

人間的に表現すると、ずるがしこいという方が適切ですね。

これは馬の本能を考えれば当然のことなのですが、馬は人を背中に乗せるために生まれてきたわけではありません。

つまり、馬は出来れば人を乗せたくはないと考える方が自然なのです。

さらには、たとえ乗せたとしても走りたくないと考えます。

ですから馬はどうすれば走らずにいられるかを常に考えています。

それでは、馬はどうすれば走らなくてもすむのでしょうか?

答えは簡単、ライダーが下手だったら走らなくても叱られませんよね。

逆に熟練したライダーであれば、こっぴどく叱られます。

馬は、走るよりも叱られることを我慢する方がが楽なのか、それとも黙っておとなしく走る方が楽なのかを判断するのです。

ということで、馬は自分に跨っているライダーの技量を、実に上手に計ります。

ちょっと想像できないかもしれませんね。

では、彼らはどうやってライダーの技量を判断するのでしょう?

 

 

 

 

 

 

 

 

優秀な馬乗りは、馬の側に寄っていく動きだけで、その人の技量を判断できるといいます。

これは馬という生き物の習性を理解しているかどうかが、その人の動きで見て取れるからです。

馬も同じところで判断します。

ですから、全くの素人が馬に跨ったら馬にもすぐに伝わります。

こうなると馬は素人ライダーをバカにし始め、最後には動かなくなります。

逆に、熟練したライダーであるかどうかも馬はすぐに判別します。

この場合はおとなしく従うことになるでしょう。

 

 

それでは少しは乗れる人が跨ったら、どうなるでしょう?

馬はそのライダーをテストしはじめます。

『馬が人をテストするだって?そんなことが!?』と感じる人も多いでしょう。

しかしこれは、馬乗りの世界では常識なのです。

いったい馬はどうやって人をテストするのでしょう?

 

 

馬は最初のライダーの指示を待ちます。

例えば、それが『前進』だったとします。

このとき馬は、さも従順そうに前には進みます

が、まっすぐ前には進まないのです

極端な場合、大きく右に曲がりながら前に進み出します。

ここで考えてみてください。

きっとライダーはまっすぐ前に進んで欲しかったはずですね。

それに対して、馬は左右に曲がって前進をはじめます。

これにライダーが気づくかどうかをテストしているのです。

これは馬がライダーに反抗しているのです。

『おまえのいうことなんか、誰が聞くものか!』

馬がそう言っているのです。

これに気づいたならば、馬は『ふん、少しは乗れるのかな?』と考えます。

そして次の反抗をはじめます。

わたしも長い間これには悩まされました。

というか、今でも悩まされています。

なぜならば、馬の反抗はどんどん小さくなっていくからです。

 

 

 

『えっ?反抗が小さくなっていくんだったら良いことじゃないの?』

 

 

 

そう考える人が多いことでしょう。

すでに馬にだまされていますよ!

馬ってずるがしこいんです。

彼らはどんどん反抗を小さくすることで、ライダーがどこで気づくかをテストしているんです。

それでライダーの技量を計っているんですね。

最後には、わずかに蹄1つ分だけずらしてみたりします。

ほんのわずかな反抗でも見逃そうものなら、馬は決してライダーに従おうとはしません。

その小さな反抗が、今度は逆に少しずつ大きくなっていきます。

ライダーがようやくその反抗に気づいて、それを咎めたとします。

その咎めに対して、馬はより大きな反抗で返してきます。

馬に口があったら、きっとこういうでしょう。

 

 

 

『なんで今頃?今まで何も言わなかったじゃないか!』

 

 

 

こうしてどんどんいうことを聞かない馬になっていきます。

馬は、自分がボスだと認めた人にしか従わないのです。

 

 

 

 

 

  

 

 

 

No.2を育成するときに、最も陥りやすいのがこの小さな反抗なのです。

No.2ということは、すでにかなり仕事をこなせる部下ですね。

多くの場合、仕事をこなせるということで、はじめは甘くしてしまいがちです。

やはり仕事をこなせる部下というのは、うれしいものです。

しかし、かわいがって目をかけることと甘やかすことが全く違います。

これを混同してしまいがちなんですね。

人間は目をかけられると増長してしまうところがあります。

はじめは小さなわがままから始まるのですが、このときにボスは「仕事が出来るんだから、それぐらいかわいいものだ」と考えてしまうのです。

これがどんどん大きくなって、いずれ目に余るようになります。

この頃になってボスははじめて咎めるようになりますが、きっとこの部下は心の中ではこう言っていることでしょう。

 

 

 

『なんで今頃?今まで何も言わなかったじゃないか!』

 

 

 

こうなってから咎めても、なかなか部下はおとなしく従ってくれません。

仕事が出来る部下というものは、プライドも高いからです。

こうしてせっかく次のボス候補だったNo.2が潰れていくことになります。

 

ボスの役割はNo.2を育成することです。

よかれと思ってやったことが、実は部下のためにならないこともあるのです。

前々回のエントリーで<規律には厳しく>と書いたとおりです。

ボスは毅然とした存在でありながら、部下には精一杯の愛情を持ってあたらなければなりません。

精一杯の愛情を注ぐためには、部下の小さな反抗をいちいち咎めてあげる必要があります。

これは面倒なことです。

面倒だからこそ、愛情がなければ出来ないのです。

「本気で良くなって欲しい」と考えなければ、誰がそんな面倒なことをするでしょう?

そのためにも、小さな反抗を見逃さず、そして面倒がらずに全部咎めていくだけの技量と器が必要とされるのですね。

 

 

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2010年04月07日

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