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自己資本比率と財布の中身
日経新聞を読んでいると、この自己資本比率という言葉がよく出てきます。
自己資本比率って、いったいどのようなものでしょう?
いったい何を表すものなのでしょうか?
その前に自己資本について説明しましょう。
たとえばAさんは今、財布に10万円持っているとします。
この10万円はAさん自身のものですから、何に使おうと自由だし、誰からも返せと言われるものではありません。
この10万円を自己資本(純資産)といいます。
次に、Aさんは友人から100万円を借りました。
当然ですが、この100万円は将来返さなければなりませんね。
これを負債(他人資本)と呼びます。
他人資本というのは、経営資本のうち他人から借りたものというイメージでとらえてください。
ということは、純資産と負債の合計は110万円となりますよね。
この合計110万円を総資本と呼びます。
ここまでは大丈夫ですか?
それでは次に自己資本比率に行きますね。
自己資本比率とは、総資本のうちに自己資本が占める割合のことです。
簡単に言えば、財布の中身のうち、いくらが自分のお金なのかということです。
算式では次のようになります。
自己資本(純資産)÷総資本(負債+純資産)×100
((自分のお金÷財布の中身)×100)
Aさんの例では、10万円(自己資本)÷110万円(総資本)×100%=9%となります。
この割合が何を意味するのかを解説してみましょう。
まずは算式の分母をご覧ください。
総資本(負債+純資産)というのは、企業が経営をするに当たって外部から調達した資金の総額を指します。
簡単に言うと、財布の中身だと思ってください。
財布の中には自分のお金もあれば借りてきたお金もあります。
その全額が総資本だと考えてもらえればイメージできると思います。
その財布の中身のうち、自分のおかねの割合を示したものが自己資本比率です。
つまり、自己資本比率とはすべてのおかねのうちで将来返済しなくても良いものの割合だということですね。
もうおわかりだと思いますが、この自己資本比率は高ければ高いほど企業の経営が安定しているということになります。
自分自身のお金の割合が大きいということは、景気の下降局面において資金が不足する可能性が低いということになります。
一言で言うと、倒産しにくい企業であるということですね。
ここまでは大丈夫ですか?
それではもう少し踏み込んでみましょう。
Aさんは今、自分のお金10万円と借りてきたお金100万円の合計110万円のお金を持っています。
そこでAさんは株式投資の勉強をしようと思って、ある株式に50万円を投資しました。
この場合のAさんの自己資本比率を考えてみましょう。
算式は『自己資本÷総資本×100』でしたね。
この場合の自己資本はどうなるでしょうか?
もちろん10万円ですね。
株式を購入したとしても、別に自分の財産が減少したわけではないからです。
そして総資本は110万円ですね。
ということで、自己資本比率は先ほどと同じ9%となります。
このように何らかの資産を購入しただけでは自己資本は変化しないのです。
いいですか、先に進みますよ。
ところが昨今の不況のあおりをくらい、この会社の株価が大きく下落してしまいました。
現在10万円の株価をつけていますが、当面回復は見込めそうにありません。
この場合のAさんの自己資本比率はどうなるでしょうか?
総資本は変わらず110万円ですね。
それでは自己資本はどうでしょうか?
株式を購入した以外は何にも使ってはいません。
それでは自己資本も10万円のままなのでしょうか?
実はここで大きな問題があるのです。
購入した株式の時価が下がっており、回復が見込めない状態だということは、実質的にAさんの財産は減少していると考えられます。
この場合、Aさんはこれを自己資本に反映させなければならないのです。
つまりこの場合の自己資本は次のようになります。
10万円ー(50万円ー10万円)=△30万円
自己資本、つまり自分の財産がマイナスとなってしまいました。
これは総資本(全財産)よりも他人資本(負債)の方が多いことを意味します。
この状態を債務超過と呼びます。
いかがですか、何もしていないのに自己資本比率(Aさんの安全性)9%から一気に債務超過に転落してしまいました。
これが自己資本比率の恐ろしいところなのです。
それでは、これが企業経営にどのような影響を及ぼすのかを、次回解説してみましょう。
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2009年9月11日




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