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新しい会計たち ~企業会計からウエスタン会計へ
先週は企業会計について説明しました。
企業会計の発祥は、大航海時代にさかのぼるといわれています。
当時、ヨーロッパからいろんなものを積んで出航し、それをあちこちの国で売りさばいて帰って来るという商売がありました。
いまでいう貿易業ですね。
そして貿易にお金がかかるのは、今も昔も同じです。
大きな船に大量の商品を乗せていくんですから、その商品の仕入代金や旅費、作業員の賃金などを含めるとかなりの資金が必要でした。
大きな資金が必要となったときにどうするかは、これまた今も昔も同じなんです。
つまり、出航する船を一つの株式会社に見立てて出資を募ったんですね。
そこに資産家たちが投資をしました。
これは投資というよりも投機に近かったようです。いわゆるハイリスクハイリターンなものだったようです。
資産家たちの出資を元手に準備をして、長い年月をかけて世界中を回ります。
そうして積み荷がなくなれば帰ってくるのですが、ここで問題が発生します。
そう、配当をどのようにして計算するかですね。
もし、航海中の金銭に関する記録がなにもなかったならば・・・。
配当金の額は、船長の腹一つで決まってしまうことになります。
わかりますよね、船長がネコババするってことです。
そうなると困るのは資産家たちです。
そこで航海中の金銭の出入りを記録するようになりました。
これが簿記の始まりだと言われています。
このように、出資者(利害関係者)を保護する目的で作られたものが企業会計なんです。
長い間、会計の世界は企業会計だけが独占してきました。
つまり利害関係者の都合だけを考えて会計が発達してきたんです。
これはいまでも続いています。
これにまつわる最近の大きな改正は、皆さんご存じのキャッシュフロー計算書です。
これらはすべて利害関係者のための会計であって経営者のための会計ではありませんでした。
あるとき誰かがこう考えたんです。
会計って結構手間がかるのに、これを何とか経営のために使えないものだろうか?
ここから発達してきたものが管理会計と呼ばれる分野です。
管理会計とは、原則として製造業の製品一つあたりの製造原価を管理する目的で作られたものです。
つまり会計記録で得られたデータをうまく利用することで製品原価を下げ、結果利益を増大させるために用いられるものです。
このように会計をうまく利用することによって、企業のウイークポイントが浮き出しになることがあります。
最近中小企業でも月次決算を導入することによって、会計を経営に利用しようと考えるところが増えてきました。
一部の税理士などはこれを管理会計と呼んでいるようですが、本来の管理会計とは少し違うものとなります。
とはいえ十分に利用可能であることはいうまでもありません。
またあるときこんなことを考えた人もいました。
いままでの会計って過去のデータを元にしているものばかりだけど、これをどうにかして未来予測に使えないものだろうか?
こうして出来たものが未来会計と呼ばれる分野です。
これはもちろん企業の未来を予測することを目的とするものとなります。
このほか公益法人会計・公会計(国の会計)・環境会計・ホスピタリティ会計など、様々な会計があります。
これらはすべてその団体や目的に照らし合わせて、それを利用する人のために整備されてきました。
ここでもう一度これらの会計を見渡してみてください。
いったい誰のための会計だったでしょう?
●企業会計・・・利害関係者のため
●管理会計・・・経営者のため
●未来会計・・・経営者のため
いかがですか?あとから出来た会計はすべて経営者のための会計ですよね。
当然ですね、これらは元々利害関係者のためであった会計を経営のために利用しようとして作られたものだからです。
しかしここにも一つ問題がありました。
それは、これら企業会計や管理会計・未来会計と呼ばれるものは、基本的に大企業のために作られたものだったのです。
つまり、中小企業の経営者が利用するには、あまりにもハードルが高すぎたんです。
あるいは使える部分だけをピックアップしようにも、難しすぎて不可能だったんです。
最近、公認会計士協会が「中小企業の会計に関する指針」と呼ばれるものを作りましたが、このベースとなっているものは企業会計なんです。
ってことは誰のためのものでしょう?
そうですね、利害関係者のためのものです。もっといえば金融機関のためのものでしかないんです。
決して経営者のためのものではありません。
そこで、この中小企業の経営者に特化させたものが出来ないかと考えた人がいました。
こうして出来たものがウエスタン会計です。
ウエスタン会計は、究極の実践会計です。いくら理論上重要であっても、必要ないものや誤って利用される恐れのあるものはすべて捨て去ります。
会計を経営に利用することの重要性とその方法を、会計については全くの初心者である人でも理解できるようにまとめたものです。
っていっても、別にわたしが独自に編み出したものなんかじゃありません。
われわれ税理士が普段無意識のうちに使っているもののうち、中小企業の経営者たちが実際に使えるものをピックアップしました。
このように会計は時代の変遷とともに、利害関係者から経営者のためのものに変わってきました。
皆さんも是非会計をうまく利用することによって、ビジネスを加速させてくださいね。
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2008年5月24日




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